創業以来、酒樽の材料として最適な吉野杉を使用し、接着剤を使用しない昔ながらの手作業の製法を守っています。本来、貯蔵することが目的である樽としてお酒が漏れないことはもちろんのこと見た目の美しさにもこだわり丁寧な仕上げを心がけております。
酒樽は蓋・底・榑(くれ(側板とも呼びます))・箍(たが(竹で編んだ輪))の材料からできています。ここでは一部材料の準備と実際に樽を作る大まかな工程を説明します。
榑(くれ)の表面を銑で削ります。この時に出てくる板の表面を見て、なるべく良いもの
を樽の正面に来るように選びます。
榑の側面を鉋を埋め込んだ正直台で削ります。正直台は中央が窪んでおり、板の中央付近が少し膨らむように仕上がるので、組み上げた樽は丸みを帯びます。
仮輪(竹で編んだ輪)を使って榑を立てながら樽の形を作ります。この時、仕上がりをより美しく見せるために、木目と色を選びながら並べていきます。
樽を回しながら、内側を丸鉋で削り、底板を入れ竹で編んだ箍(たが)をはめ込み木槌で叩き上げていきます。この時の底の位置や箍の硬さで漏れないよう調節しています。
蓋をはめることで樽としての形が完成します。その後、銑を使って表面をもう一度削り、更に箍をはめていき仕上げます。
酒樽の材料の板を榑(くれ)と呼び、その榑を束ねたものを樽丸と言います。
弊社が使用する榑は奈良県の吉野地方の樽丸職人が製造したものです。この吉野地方に伝わる樽丸製造技術は国の重要無形民俗文化財に指定されています。
原木から樽の材料の長さに切った丸太を扇状に割っていきます。
扇状に割ったものを湾曲した刃物で、年輪に沿って厚さをそろえて割っていきます。
機械を使うと板の途中で年輪が切れてしまい、漏れの原因となるので手作業で行います。
厚さをそろえて割った板の表裏両面を銑(せん)と呼ばれる刃物で削り、形を整えます。
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